贈与税の申告について【2021年は期限延長あり】

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

税務署

今年の確定申告の期限が近づいてきました。個人事業主の方はもちろん、サラリーマンでも副業をしている方等は申告を行う必要があります。

2020年分の確定申告期限は2021年3月15日(月)までですが、この期限は贈与税の申告期限でもあります。2020年の1月1日~12月31日の1年間に贈与を受けた場合は、申告が必要になってきます。
 

【贈与税の申告対象者】

贈与税の申告と納付は財産を受け取った方=受贈者の義務です。ただし、全ての受贈者に申告義務があるわけではありません。何故なら、生前贈与には「年間110万円まで」の非課税枠があるからです。

それらを踏まえると、贈与税の申告対象者は以下のいずれかになります。

  • ・年間で受け取った財産の合計が110万円を超える
  • ・相続時精算課税制度の適用を受ける両親や祖父母から贈与があった
  • ・住宅取得等資金の贈与やおしどり贈与等、特例制度を利用した

生前贈与には通常のもの(暦年贈与)の他に、条件を満たすことによって高額の贈与ができる特例制度がいくつかあります。それらの制度を利用する場合、贈与税の金額が非課税枠内におさまっていても、申告が必要です。

各制度の詳細は以下の記事を参照してください。

 

【贈与税の申告期限】

贈与税は贈与があった年の翌年2月1日から3月15日までに申告と納付を行います。(期限日が土日祝日の場合はその次の平日になります。)

冒頭で2020年分の贈与税は2021年3月15日(月)が申告期限と述べましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が配慮され、令和2年4月15日(木)に延長されています。

確定申告会場でも、「三密」回避のため、時間指定入場整理券の導入等がされているようです。例年とは勝手が違うかと思われるので、余裕を持って申告しにいきましょう。

【贈与税申告の流れ】

贈与税の申告は下記の通りになります。

贈与時の財産の時価を計算し、贈与税額を算出する
 ↓

贈与税の申告書を記入する
 ↓
その他必要資料を集める

(1)贈与税額の算出

贈与税を計算するには、「もらった財産がいくらか」を調べなければなりません。なお、財産の評価はもらった時点のものとなります。

なので、上場株式を贈与された場合は「金融商品取引所が公表する課税時期の最終価格」によって評価します。

土地や建物といった不動産は、土地の相続税評価額は路線価方式もしくは倍率方式、建物なら固定資産税評価額から算出というように、評価方法が決まっています。

もらった財産がいくらかがわかったら、課税価格を計算(贈与金額の合計-110万円)し、そこから贈与税額を計算(課税価格×税率-控除額)します。

(2)申告書の記入

贈与税の申告書には共通のものと、利用する制度によって記入が必要になるものがあります。

例えば、単に贈与税を申告するだけなら、「第一表」だけを記入すれば良いですが、住宅取得等資金の非課税制度や相続時精算課税制度を利用するなら、第一表の他に記入用紙が増えます。

(3)その他必要資料の準備

必要資料も申告内容に応じて変わります。

暦年贈与で生じた贈与税の申告なら、受贈者の戸籍の全部事項証明書または一部事項証明書で構いませんが、特例制度を利用するなら、贈与者・受贈者の戸籍の附票の写しや贈与者の住民票、住宅購入に関する証明書類などが制度ごとに追加されます。
 

【申告方法は様々】

必要な資料がまとまったら、税務署へ提出を行います。なお提出先は「受贈者の住所を所轄する税務署」です。窓口まで直接出向くのも良いですが、郵送で書類を送ったり、国税電子申告・納税システム(e-Tax)を使用して申告を行う方法もあります。

新型コロナウイルス感染症のリスクもあるので、混み合う税務署へ赴くのが心配な場合は、郵送かe-Taxを選択しましょう。
 

【不安な場合は税理士に代行を依頼しましょう】

税額が合っているかどうかわからない、申告方法がわからず不安といった場合は、税理士に申告を代行してもらうのも良いでしょう。

報酬はかかってしまいますが、自分でやるより間違いがありません

特に特例制度を利用する場合は、手続きも複雑になってくるので、手間を取りたくない場合は、依頼することをお勧めいたします。
 

【相続税や贈与税に関するお悩み】

相続税や贈与税についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。

70余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

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投稿者: 古川顕史(公認会計士・税理士)

八王子相続サポートセンター センター長。 公認会計士・税理士。 早稲田大学商学部卒業 あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。 八王子相続サポートセンター所長 相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数。