故人の口座はどれぐらいで凍結されるのか【相続開始後すぐに凍結される?】

口座凍結

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

銀行や信用金庫の口座はその名義人が亡くなると凍結されますが、何日後に凍結されるのかご存知でしょうか。

実は口座が凍結される日数は状況によってバラバラです。亡くなってからすぐに凍結される場合もあれば、数週間経っても凍結されない場合もあります
 

【口座が凍結されるタイミングとは】

口座が凍結されるのは、金融機関が名義人の死亡を確認した時です。

口座凍結までの日数がバラバラなのは、金融機関が死亡の事実を知る方法も一律ではないからです。

  • ・相続人等からの連絡があった場合
  • ・残高証明書の取得申請があった時
  • ・新聞等のお悔やみ欄
  • ・葬儀の看板

上記は金融機関が名義人の死亡を知る方法の一例です。最も一般的なのは、名義人の家族や関係者からの連絡です。故人が企業経営者の場合は、その会社や取引先からの連絡で死亡を確認する場合もあります。

なお、金融機関側は確実な情報がない限り、凍結は行いません。誤った情報で口座凍結をすると、大きな問題へ繋がる可能性があるからです。

また、市区町村役場から死亡の事実が金融機関に伝わることもありません。よって、家族や関係者が連絡しなければ、相続開始後すぐに口座が凍結されることはほぼありません

銀行としてもタイムリーに死亡の事実を知ることはできないのです。
 

【口座が凍結されたら】

口座が凍結されると、預貯金は引き下ろせません。また、引き落としもされないので、公共料金や家賃を引き落としで支払っている場合は注意が必要です。

凍結を解除するには名義の変更が必要です。

手続きに必要な書類は遺言書の有無で変わります。また、各金融機関によっても追加の資料が必要の場合もあるので、事前に確認しましょう。

①遺言書あり
・遺言書(検認済証明書あり)
・遺言者の戸籍謄本
・遺言執行者の印鑑証明書
・遺言執行者の実印を押印した払戻依頼書
・通帳及びキャッシュカード

②遺言書なし
・遺産分割協議書(法定相続人全員の署名押印が必要)
・被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の実印が押印された銀行所定の用紙(相続届)
・通帳及びキャッシュカード

 
遺言書がない場合、遺産分割協議後の手続きとなるので、解除まで時間はかかるでしょう。逆に言えば、遺言書があれば凍結解除はスムーズに進みます。
 

【凍結の目的】

口座が凍結されるのは、「相続対象である財産の確定」と「相続人同士のトラブルを避ける」といった二つの目的があります。

遺産分割や相続税申告のために、相続人は正確な財産を把握しなければなりません。よって、預貯金額(もしくは借入金)を確認するために金融機関で「残高証明書」を取得します。

残高証明書の請求をすると、金融機関は名義人の死亡を知るので、その口座を凍結します。

凍結されれば、被相続人の口座の暗証番号を知っている家族でも、預貯金を勝手に引き出せません。別の角度で考えれば、他の相続人が勝手に引き出すことを防ぐことにもなっています。

引き出せなければ、預貯金は遺産分割まで変動しませんし、家族間でのトラブルも起こらないでしょう。
 

【死亡後口座凍結前に預金を引き出す際の注意点】

(1)単純承認とみなされ相続放棄ができなくなる

被相続人の口座から預金を引き出すことが、単純承認に直結するわけではないですが、

  • ・引き出したお金を自身のために使う
  • ・一般的とは言えない豪華な葬儀の費用に充てる

このような場合は単純承認とみなされる可能性があります。

(2)キャッシュカードを本人以外が使うことは金融機関の規約違反

多くの金融機関は、口座開設時の契約において、本人以外がキャッシュカードを使うことを禁じています。

故人のキャッシュカードであっても、勝手に使用すると、ほとんどのケースで規約違反となるので、好ましくありません。

(3)他の相続人から使い込みを疑われる

口座名義人が亡くなった時点でその預貯金は、相続人同士の共有財産です。(遺言書で指定されている場合を除きます。)
そのため、一部の相続人が預金を引き出すと、他の相続人から相続財産の使い込みを疑われます。そうなれば、争いに発展する可能性も高くなるでしょう。
 

【凍結解除の手続きに不安がある方は】

口座凍結の解除は書類さえ揃えれば難しい手続きではありません。しかし、その書類をそろえることや、平日の営業時間中に窓口に行く点が厄介です。

仕事を抱えている方は時間の確保が大変でしょう。また、手続きの経験がないので、思ったとおりに進まないこともあります。

相続専門の税理士に依頼すれば、口座凍結の解除はスムーズに進みます。もちろん報酬はかかってしまいますが、時間の節約になりますし、ご自身の負担も軽減されるでしょう。

税理士に依頼することで、相続手続きだけでなく、相続税の対策もできます。「相続税で損をしたくない」方は、税理士への依頼がおすすめです。

相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。

60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

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投稿者: 古川顕史(公認会計士・税理士)

八王子相続サポートセンター センター長。 公認会計士・税理士。 早稲田大学商学部卒業 あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。 八王子相続サポートセンター所長 相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数。