こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
相続手続き では相続人の確定も重要です。
故人の相続人が誰なのか、家族の中では分かりきっているのに、どこが重要なのかと思う方もいるでしょうが、戸籍を調べてみると実は相続人が他にもいたというケースはあるのです。
例えば、被相続人に愛人がいてその間に生まれた子を「認知」していたら、その子は第一順位の法定相続人となります。
また、過去に離婚歴があり、元配偶者との間に子供がいた場合、法律上の親子関係は残るため、その子も第一順位の法定相続人となります。
戸籍を収集し、相続人の確定をすることではじめて、どの順位の相続人が存在し、どのような優先順位で相続するかが決まるのです。
もし、相続人を確定しないまま遺産分割協議などを進めてしまうと、後で相続人が新たに出てきた場合には、協議がやり直しとなってしまいます。
また、身内の中では家族関係=相続関係が明らかであったとしても、第三者からはわかりません。
銀行や法務局、証券会社等で、遺産の名義変更の際に、戸籍謄本の提出が必要になりますが、これは相続での関係を客観的に証明する必要があるからです。
そういった意味でも、戸籍を収集し、相続人を確定させるのは大事な手続きなのです。
目次
【相続人の確定は相続では必須の手続き】
相続人の確定とは、遺産を受け取るべき相続人が誰かを決める手続きです。
人が亡くなると、相続が開始されます。相続では遺言書がある際には内容の記載に従って、遺言書が無ければ遺産分割協議で、遺産の分配をすることとなります。
遺産分割では、すべての相続人を確定しなければなりません。
相続人の確定をすれば、どの順位の相続人が存在し、どのような優先順位で相続するかが決まるからです。配偶者は必ず法定相続人になりますが、そのあとは子供・両親・兄妹姉妹と順位が決まっています。
なお、相続人は自己申告ではなく、戸籍を使って証明しなければなりません。
これは遺族には知らされていない関係が隠されている場合があるからです。冒頭で述べた愛人との間に生まれた子供を認知していた場合や、元配偶者との間に子供がいた場合などです。
そのような相続人を見落としたまま、相続手続きを進めてしまうと、後でやり直しとなる可能性が出てきます。手間を増やさないためにも戸籍により相続関係を明らかにするのです。
戸籍は、被相続人が死亡してから原則として出生まですべて遡り、除籍謄本や改製原戸籍といった古いものまで取得します。
そして、相続人がすべて判明したら、その方が現在も生きているか、つまり相続人であるかの証明のために相続人自身の「現在の戸籍」も必要となります。
【相続人が確定していないと協議がやり直しに】
相続が開始されたら、相続財産は一時的に相続人全員の共有財産となります。
遺言書がない場合、遺産分配の詳細については、相続人全員で話し合い、同意を取らなければなりません。
そのため、相続人が全員揃っていない状態で遺産分割協議をすると、その協議内容は無効です。
協議をやり直すとなると相当の時間がかかって、かなりの手間になります。
【遺言書の有無の確認もしておくこと】
遺言がある場合は、遺言書に従って遺産分配がされます。
協議後に遺言書が出てきてしまうと、せっかくまとまった遺産分割協議が無効となります。よって、遺言書の確認も早めにするべきです。
ただし、相続人全員が協議内容に同意すれば、遺言内容に従わないこともできます。
しかし、相続人以外の受遺者がいる場合、これは認められません。受遺者の権利を相続人が一方的に奪うことはできないからです。
この場合は、受遺者自身が遺言書と異なる遺産分割協議内容に了承するか、遺贈を放棄するかした場合にのみ、協議内容が有効となります。
【相続人の確定をしないと相続税の申告ができない】
相続税申告は法律で申告期限が決まっており、相続開始から10か月以内です。
誰が相続人かによって納税の義務者が違ってくるため、相続人の確定を早めにしておかないと、相続税申告の金額が確定できず、申告期限に間に合わなくなる怖れがあります。
相続人数は相続税の基礎控除額に影響するので、早めに確定しておくべきです。
【戸籍謄本を取り寄せる方法】
戸籍謄本は被相続人あるいは相続人の本籍地のある市区町村役場に申請し、取得します。市区町村役場の窓口に直接行って申請しても良いですが、郵送で請求も可能です。
本籍地は住所と異なるケースが多いので、事前に調べておいた方が良いでしょう。
本籍地がわからない場合は、本籍地の記載がある住民票(被相続人なら住民票除票)の写しを取り寄せてチェックします。
【相続手続きで悩んだら古川会計事務所・八王子相続サポートセンターまで】
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