こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
相続手続きには様々なものがあり期限も決まっています。
それら期限には、「相続開始日から〜ヶ月以内」とされているものも多いかと思います。
相続手続きでは「相続開始日」を元に決められるものが多くありますが、手続きをしたことがない人にとっては、「相続開始日とは一体いつからなのか」困惑することでしょう。
本記事ではこの相続開始日についての基準を詳しく解説していきます。
基準を正しく理解して諸々の手続き期限を破ることのないようにしましょう。
【相続開始日とは】
相続開始日は「被相続人が死亡した日」です。被相続人が亡くなられてから、相続手続きができるようになります。
死亡届の提出や相続税申告の期限も被相続人の死亡日によって決まります。
親族への連絡や通夜・葬儀の準備で忙しくなりますが、各種手続きの期限もきちんと把握しておくことが大切です。
【相続開始日における3つの判定】
被相続人が亡くなった日については以下の通り、3つの判定で決定されます。
(1)自然死亡
医学的に死亡が認められるケースです。
医師が被相続人の死亡を確認後、死亡診断書もしくは死亡検案書を作成し、その中に死亡日時が記載されます。この死亡日時が相続開始日となります。
死亡日時は死亡届の提出によって戸籍にも反映されます。
(2)認定死亡
地震や津波といった災害等に巻き込まれると、遺体が見つからず行方不明となるケースもあります。そのような状況においては、死亡の可能性が高い場合につき、「戸籍の上で死亡」とすることがあります。
取り調べを行なった警察等が死亡認定した後、市区町村(故人が死亡した管轄区)に報告すると、戸籍に死亡日が記載されます。
この死亡日が相続開始日となりますが、もし生きていることが発覚した場合は、取り消しが可能です。
(3)法的に死亡したものとみなされる
長期間失踪しており生死不明の人に対しては、法律上で死亡したものとみなす制度があり、これを「失踪宣言」といいます。
家庭裁判所に申し立て後、失踪宣告を受けた場合に死亡が擬制され、戸籍から除籍される形となります。
行方不明の理由により「普通失踪」と「特別失踪」に分かれ、それぞれ相続開始日の考えが違います。
①普通失踪
注意点としては、行方不明の期間が長いと死亡日は遡って決定される点です。
たとえば、2010年より9年間行方不明の方が失踪宣告を受けると、死亡日=相続開始日は行方不明から7年後となるので、2017年となります。
②特別失踪
危難が去った日が死亡日=相続開始日です。こちらも相続開始日が遡ることに注意しましょう。
認定死亡と異なる点は家庭裁判所の判断に委ねられることです。もし生きていた場合は家庭裁判所にて失踪宣言の取り消しの審判が必要です。
【相続手続きについてのご相談】
相続手続きを行う際には各種の期限にくれぐれも注意してください。
相続手続きについてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
70余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。