こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
相次相続控除とは、立て続けに相続が発生した場合に2度目の相続における相続税額の一部控除を行う制度です。
短い期間に連続で相続税の支払いをすると、二重の税負担に苦しむことになり、場合によっては生活に困窮する怖れもあります。同制度はそんな納税者の負担を軽減するために設けられています。
前回は、制度の概要や控除額の計算方法について説明しました。
この記事では手続き方法や注意点について紹介いたしますので参考にしてください。
目次
【相次相続控除の手続き方法】
(1)期限
相次相続控除の手続きは二度目の相続(2次相続)の相続税申告時に行います。
申告場所は、二度目の相続における被相続人の住所地を管轄する税務署です。
(2)必要書類
相次相続控除に必要な書類は下記の通りです。前回の相続(1次相続)の書類も必要になります。
《新規の書類》
- ・相続税の申告書
- ・相次相続控除額の計算書
特別な書類は相次相続控除額の計算書です。前回記事で紹介した計算式に従って控除額を算出し、必要事項を記入します。
《前回の相続の書類》
- ・相続税の申告書
- ・相続税がかかる財産の明細書
- ・相続時精算課税適用財産の明細書
- ・相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書
- ・純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額出資持分の定めのない法人などに贈与した財産特定の公益法人などに寄附した相続財産・特定公益信託のために支出した相続財産の明細書
- ・相続財産の種類別価額表
前回の相続税申告に使用した書類のコピーを添付します。
上記の中にはケースによっては不要のものもあります。
【相次相続控除の注意点】
相次相続控除を利用するなら以下の点に注意しましょう。
(1)特例の適用額は各相続人で選べない
控除される額は、前回の相続で取得した財産額によって異なります。
よって、適用額を各自で自由に選ぶことはできません。たとえ、相続人同士での同意があったとしても負担額の分配は不可能です。
(2)更正の請求や修正申告で適用できる
相次相続控除には当初の申告で手続きを行う必要がなく、修正申告や更正の請求でも、適用することが可能です。(相続税の配偶者控除など他の控除制度は、当初の申告で適用しなければなりません。)
控除要件に当てはまっているのに、当初の申告で控除の適用をし忘れていても大丈夫です。
(3)遺産分割が終わっていなくても適用可能
相次相続控除は遺産分割協議が未完了の状態であっても、適用可能です。
その場合は、法定相続分に従って財産を取得したと仮定して、相続税を計算します。
【相続手続きや相続税に関する相談】
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