こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
通夜や葬儀にはお金がとてもかかります。言われてポンと出せるようなものでなく、そのお金を誰かが工面する必要があります。
多いのは故人の配偶者か長男が立て替えておいて、香典である程度回収するというケースですが、実は相続財産から支払うこともできます。
目次
【葬儀費用の相場】
葬儀の費用は主に
・実費費用:火葬や齋場使用代
・寺院費用:寺院へのお礼料等
の3つで構成されます。
地域や参列者数、葬儀規模で変わってきますが、全体費用は一般的な価格でおよそ200万円程度です。
この価格は年々下落傾向にあります。
【葬儀費用は相続財産から差し引ける】
葬儀費用は相続財産から支払うことができます。
これは「葬儀費用は被相続人が自ら支払うもの」という考え方に基づきます。
被相続人が生前に残した借金は相続財産から差し引けるので、葬儀代も被相続人の債務として相続財産から支払う(差し引く)ことができるのです。
さらに相続財産から葬儀代を支払うと、その分相続税の課税対象が減額となるので、節税にもなります。
【差し引けない葬儀費用がある】
葬儀費用の中には差し引けないものもあるので注意が必要です。
(1)差し引けるもの
・葬式や葬送費用
・火葬や埋葬、納骨の費用
・お通夜などの経費
・お布施、読経料、戒名料
・納骨費用
・その他通常の葬式に伴う費用
(2)差し引けないもの
・墓石や墓地等の購入費用
・法要の経費
・医学上または裁判上の特別の処置に要した費用
【葬儀費用の負担者は決まってない】
葬儀の費用負担者は、法律では明確に決まっていません。
一般的には被相続人の配偶者や長男が喪主となり、葬儀費用を立替ることが多いですが、香典料で支払うか、相続財産から支払うか、相続人が相続分に応じて支払うかは、自由に決めることもできます。
【費用を相続財産から差し引く場合の手順】
(1)相続人全員に連絡
相続財産は相続人全員のものですから、差し引く場合は後の争続回避のためにも事前に相談した上で進めていきます。(承諾がない場合、相続財産を勝手に使い込んだと誤解されてしまいます。)
相続人から了承を得られたら、金融機関との相談になります。
(2)金融機関への確認
被相続人が亡くなると金融機関への死亡届け等により当該預金口座が凍結されます。
凍結があると、遺族でも現金の引き出しや解約手続きが簡単に出来なくなりますが、葬儀費用の引き出しについて相談に応じてくれる金融機関もあります。
引き出す金額や必要書類は各金融機関で異なるので、事前に問い合わせするのが良いでしょう。
【相続手続きについてのご相談】
相続手続きについてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
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