自宅から出てきた現金は申告しないで隠し通せるか 税務調査から逃げ切れる?

貯金箱

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

ご老人の中にはお金を銀行口座に預けず、自宅に保管している方もいます。(実際に世界的にみても、日本人の現金保有率は高いようです。)

自宅保管のお金は、死後に遺族が見つけます。しかし、預金ではないために、相続財産として計上せず、隠し通そうとする方がいます。

「預金ではないので税務署に見つからない」と考えがちですが、実はこのような現金でも税務署に発覚する可能性はあります。そして、そうなった際のデメリットがとても大きいのです。

税務署は独自のシステムで相続財産をリサーチし、隠し財産を明らかにします。

無申告や過少申告となった場合、追徴課税が課せられます。加えて、悪質と判断されれば刑事犯罪として処断される恐れもあるので、邪なことは考えずにきちんと相続税申告をするべきです。

【通常の除斥期間は5年】

相続財産を隠したまま税務署を振り切るには「除斥期間」を乗り切らなくてはいけません。

除斥期間は時効と同じようなもので、申告期限から一定期間、税務署から請求がこない場合は、納税者は納税義務を負わないという取り決めです。

なお、時効と違う点として、除斥期間には中断がありません。時効はその期間内に債権者から催告等の請求があった際に、期間がリセットとなりますが、除斥期間はリセットされません。

そして、相続税の除斥期間は原則5年です。悪意があると判断された場合は7年に延長されます。

悪質だとされるケースというのは「故意に申告しなかった」「申告期限を忘れた」「相続財産を隠した」等です。申告期限を忘れていただけでも、除斥期間は延長されるのです。

【侮れない税務署の調査力】

銀行に預けているお金ではありませんから、5年でも10年でも隠し通せるとも思ってしまいますが、実際に隠し通せる可能性は少ないでしょう。というのも、税務署は相続財産をある程度把握しているからです。

まず、税務署は、被相続人と関係者(相続人)の全ての金融機関履歴・納税状況をチェックします。少しでも申告の中身に疑問を抱けば、毎月のお金の流れを細かく確認し、不明なお金がないか念入りに調べます。

もし、使途不明なお金が見つかりかつ申告書に記載されていないのであれば、税務調査が入る可能性は高いでしょう。

税務調査では被相続人の配偶者や子供などの相続人への質問の他、被相続人や相続人の家具の引出や金庫や倉庫の有無の確認、銀行にある貸金庫等が調査されます。

税務署は自宅に保管されていたお金であっても、ある程度の目測をした上で調査していますので、大凡のことは明確になります。

実地調査で実態の把握ができなかった場合、被相続人の知人にも聞き込みをする等、徹底的な調査が行われます。

【バレた場合の罰則】

(1)無申告とした場合

期限までに申告をしなかった場合には、「無申告加算税」が課されます。これは1日遅れただけでも課されるので注意しましょう。

課税率は以下の通りです。

税務調査の事前通知前に期限後申告書を自主的に提出…一律5%
税務調査の事前通知以後に期限後申告書を提出…50万円まで10%、50万円超の部分に15%
調査による更正など予知以後に期限後申告書を提出…50万円まで15%、50万円超の部分に20%

税務調査通知の前、事前通知から税務調査が入る前、税務調査を受けた後等、どの段階で期限後申告をするかで税率も変わってきます。

自覚があるのであれば、早めに申告をすれば傷は浅くて済みます。

(2)申告額を少なくした場合

期限内に申告をしても本来の納税額より低く申告した場合は、「過少申告加算税」がかかります。過少申告加算税は、正しい税額と最初に支払った税額との差分について課税されます。

課税率は以下の通り。

税務署から事前通知を受けて調査前に修正申告…当初の納税額か50万円の多い金額以下の部分に5%、それらを超える部分に10%
税務調査を受けてから修正申告をする…当初の納税額と50万円のいずれか多い方以下の部分に10%、それらを超える部分に15%

法定期限までに修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。つまり、もし後から財産が見つかった場合は、急いで申告をやり直すべきです。

(3)重加算税

意図的に財産を隠したり、税金逃れをしようとした場合、「重加算税」が課せられます。

重加算税は相続税の申告書を提出していた場合35%、申告書が提出されていない場合は40%が徴収されるので、追徴課税の中では最も重いものとなっています。

そもそも、遺産を相続したのに相続税を払わないことは脱税であり犯罪行為です。
悪質だと判断されれば、刑事罰となり懲役刑の恐れもあります。

バレないだろうと軽い気持ちで相続財産を隠せば、取り返しのつかないことになってしまいます。

相続財産の合計が基礎控除額を超える場合は、税務署に相続税を申告し、正しい税金を納めましょう。

【相続税の相談は八王子相続サポートセンターへ】

リスクを冒して財産を隠すより、専門家に相談して節税対策をする方が確実に税金の払い過ぎを防げます。お悩みの方は是非税理士に相談してください。

相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。

60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

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投稿者: 古川顕史(公認会計士・税理士)

八王子相続サポートセンター センター長。 公認会計士・税理士。 早稲田大学商学部卒業 あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。 八王子相続サポートセンター所長 相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数。