こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
「家族信託」、「成年後見制度」、「相続」。
それぞれが、自分自身の財産の管理または処分に関する手続きであり、大切な家族のためにどのように自分の財産を残していくかに関係してくるものになります。
こちらでは、これらの制度を選ぶ際のポイントについて解説いたします。
【3つの制度はどのように選択されるのか?】
これらの3つの制度ですが、厳密に言うと、状況によって法的に選ぶべきものが決まってくるため、その状況に基づいて自分で選べる制度が制限されてきます。
その状況とは、財産を持っており、将来的に被相続人となるご本人の置かれた状況のことであり、
・ご本人が生存中であるのか
・ご本人が生存中であっても正常な判断ができる状態にあるのかどうか、
これによって選べる制度が異なってきます。
1. ご本人が生存中で、かつ、正常な判断ができる状態:
⇒「家族信託」か、成年後見制度における「任意後見制度」が選択できます。
「任意後見制度」では、ご本人の生前中のご自身の財産の維持管理・処分等の取扱いについて決めておくことができます。
なお、死後の葬儀や埋葬に関する事務に限れば、その事務処理を任意後見人に任せられます。
「家族信託」では、ご自身の生前から死後に至るまでの長い期間に亘り、ご自身の財産の維持管理・処分等の取扱いについて詳細に決めておくことができます。
2. ご本人が生存中であっても、正常な判断ができない状態:
⇒成年後見制度における「法定後見制度」の適用となります。
この場合、家族や親族が家庭裁判所に法定後見制度を申請します。
法定後見制度が適用されると、民法の定めにしたがい、ご本人の生存中は、ご本人のためにご本人の財産や権利を維持管理することになります。
3. ご本人が亡くなった場合で、かつ、ご本人が生存中に正常な判断ができる状態で死後の財産の取扱いを決めてある場合:
⇒「家族信託」または相続における「指定相続」が選択できます。
「指定相続」とは、遺言によってご自身の財産の相続の方法を決めておくものです。
4. ご本人の死後に、ご本人の死後の財産の取扱いを決める場合:
⇒相続における「法定相続」の適用となります。
「法定相続」とは、民法の定めにしたがい、相続財産を法定相続人の間で分配する手続きです。
通常、法定相続人が協議して相続の内容を決定します(遺産分割協議)が、これが不調に終わると、「遺産分割調停」や「遺産分割審判」という法的な手続きに委ねることになります。
また、どの制度を選択するかの前提として、「誰のためにその制度を採用するのか」という点も大きなポイントになります。
ご自身の財産をどのように残していくかについてご検討の際は、弁護士や、家族信託や相続に詳しい税理士に相談してみましょう。
【法定相続情報証明制度についての問い合わせ・ご相談】
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