こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
今回は山林を相続した際の納税猶予の特例について解説していきます。
≪山林の相続は納税猶予が受けられる場合も≫
一般に土地などの不動産は相続の対象になっており、評価額次第では相続税が課税されます。
これは山林においても同じで、親などの所有者から相続した場合、相続税を支払うことになる可能性があります。
一口に山林と言っても、課税の有無は立地などにより様々で、評価額を試算しないとはっきり分かりません。
しかし、山林の相続税の納税猶予を受けられる可能性も残されており、一定の条件に合致すれば相続税を一部節税できます。
山林の納税猶予は2012年頃に創設された制度で、2012年4月1日以降に相続した山林が対象となります。
それ以前に相続している方は、さかのぼって制度を適用することができないため注意しましょう。
≪納税猶予を受ける条件と注意すべき点≫
相続した山林の納税猶予を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
被相続人 ・特定森林経営計画が定められた区域に所有している ・作業路網を含め面積が100ヘクタール以上 ・森林経営計画に沿って山林を拡大整備し、かつ農水大臣の確認を受けている |
相続人 ・森林経営計画の対象となった山林全てを相続している ・森林経営計画の実行に関して農水大臣の確認を受けている |
少し条件がややこしいですが、森林経営計画が条件に絡んでおり、100ヘクタール以上という面積も規定されています。
仮に相続した山林の面積が50ヘクタールだった場合、残念ながらその時点で納税猶予の適用対象からは外れます。
ただし、森林経営計画関連の条件もありますので、まずは合致しているか確認する作業が必要になるでしょう。
なお、山林の納税猶予については、相続税の申告期限までに申請する必要があります。
被相続人が死亡した翌日から10ヶ月以内と規定されており、この期限を過ぎると申請できません。
また、納税猶予は条件を満たしている限り続きます。
当初の10年間は1年ごとに、以後は3年ごとに申請の更新が必要であり、条件から外れた場合は猶予が取り消される点に注意しましょう。
≪山林の納税猶予は誰に相談すべきか≫
山林を相続すると資産評価などの作業が必要ですが、納税猶予を適用できる可能性があります。
しかし、条件に合っているか確認する作業が大変なため、悩んだら税理士へ相談してみましょう。
現在納税猶予を受けている方も、条件から外れてしまう可能性が残されています。
継続申請の際に条件から外れそうな時は、税理士からアドバイスを貰うと良いでしょう。
山林の相続についてわからないことがありましたら、
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