こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
例えば、お父さんが亡くなって、お父さんの遺した財産(相続財産)を3人の兄弟で相続することになりました。
相続財産には、銀行の預金と、お父さんが住んでいた家がありますが、家の処分について、長男はそのままこの家を自分が相続したいと考えており、次男は土地と建物をそのまま売却して換金したいと考えており、三男はこの家をそのまま他人に賃貸に出したいと考えており、意見がまとまりません。
このように、複数の相続人がいる場合、相続財産はどんな取扱いとなるのでしょうか?
【共同相続人と共同相続】
民法では、複数の相続人が共同して相続財産を相続することを「共同相続」と言います。
そして、この場合の複数の相続人のことを「共同相続人」と呼びます。
共同相続では、相続される相続財産は、共同相続人の共有であると定められております。
また、共同相続においては、相続財産がそれぞれの共同相続人に分割されることを前提としておりますが、分割が為されるまでは、それぞれの共同相続人が、各自の相続分に応じて遺産を共有することになります。
【共同相続人の相続財産に対する権利】
法律上、それぞれの共同相続人には、共有する相続財産に対して次のような権利があります。
・各共同相続人は、各自の相続分に応じて、相続財産を使用することができます。
・各共同相続人は、各自の相続分に応じて、相続財産を単独で自由に譲渡することができます。この場合、譲渡された相続財産の共有権者は譲受人になります。
・各共同相続人は、各自の相続分に応じて、相続財産に対して担保権を設定することができます。
・各共同相続人は、単独で自由に、共有する相続財産の分割を裁判所に提起することができます。
・各共同相続人は、他の共同相続人の同意がなければ、共有する相続財産に変更を加えることができません。
・共有する相続財産の管理は、各共同相続人の相続分に従い、その過半数で決まります。ただし、相続財産の保存行為は、各共同相続人が単独で行うことができます。
・各共同相続人は、その相続分に応じて、共有する相続財産の管理に係る費用などを負担します。
・各共同相続人の一人が、その相続分を放棄したとき、または死亡して相続人がないときは、その相続分は、他の各共同相続人に帰属することになります。
相続財産が共同相続人の共有となる場合、共同相続人各自が、その相続分に応じた権利と義務が生じます。
また、相続財産が土地や建物といった不動産のように容易に分割できない場合、相続財産の処分や管理は、各共同相続人が協力して行わなくてはなりません。
不動産は、このような性格を持つことから、共同相続人の利害が対立すると、相続財産が有効に活用されないまま放置されたり、遺産の分割請求が提起されて、近親者であるはずの相続人の間で深刻な対立が生まれたりと、相続トラブルに発展するケースが多くなります。
このような場合は、躊躇せず、頼りになる税理士や弁護士に相談して、早期に解決するようにいたしましょう。
【共同相続についてのご相談】
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