こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
年末の恒例行事、年末調整や確定申告で大忙しの時期になりました。
今回は相続と年末調整の関係性について解説していきます。
≪年末調整とは?≫
そもそも年末調整とは何かについて、まずは解説していきます。
年末調整とは平たく言うと「会社が年末に各従業員の1年分の所得税を計算しなおして、払いすぎていたり不足していたりしないかを確認し調整すること」です。
会社で働いている場合には、毎月の給与から所得税が差し引かれています。
実はこの所得税は源泉徴収税額表に基づいて計算された仮の金額なのです。
例えば、生命保険料や地震保険料を払っている場合、実際に納めるべき所得税額よりも仮の所得税の方が上回ってしまうため、年末調整をすることで払いすぎた分の所得税が戻ってきます。
逆に、前年より被保険者が減ったような場合、仮の所得税よりも実際に納めるべき所得税額の方が上回ってしまうため、追加で所得税を支払う必要が出てきます。
上記のような計算を、本来であれば税務署や国税庁がすべきなのですが、1億2000万人+α(外国人労働者等)の計算をしているとキリがないため、各会社単位でまとめて行うというのが年末調整なのです。
≪相続と年末調整には関係があるか?≫
では、相続と年末調整にはどんな関係があるのでしょうか?
先に答えを言ってしまうと、直接的な関係はありません。
上で解説してきた通り、【年末調整=1年間の所得税を計算しなおすこと】であるため一見すると関係があるように見えますが、年末調整で計算しなおすのはあくまでも【給与所得】で、所得税の対象となります。
また、保険金の満期や年金で得た所得も、所得の区分で言うところの【一時所得】または【雑所得】とされる所得税対象ですので、相続税とは関係がないということになります。
▼参考:国税庁ホームページ「No.1300 所得の区分のあらまし」
年末調整と関係がないと言えども「相続をしたけど何もしなくても大丈夫」ということではありません。
相続に直面した場合には相続税の申告が必要です。
また、最近では相続税額が0円の場合であっても、申告自体は必要な場合がほとんどですから、「家には特に財産もないし、申告は必要ないだろう」という自己判断は避けるべきでしょう。
▼参考:八王子相続サポートセンター「相続手続の流れ」
▼参考:八王子相続サポートセンター「相続税の申告方法」
≪まとめ≫
・年末調整とは「会社が年末に各従業員の1年分の所得税を計算しなおして、払いすぎていたり不足していたりしないかを確認し調整すること」
・相続と年末調整は特に関係がない
・相続に直面した場合には、相続税が0円であっても申告が必要な場合がある
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