こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
前回は相続法の改正について下記の3点を解説してきました。
・被相続人(亡くなった方)の配偶者が、居住権とその他の財産を同時に取得できるようになった
・長い間夫婦である場合、住居を生前贈与しても、特別受益として扱う必要がなくなった
・遺言書をパソコンで作成可能になった
▼参考:八王子相続サポートセンター「相続法の改正(前編)」
今回も引き続き、相続法の改正について解説していきます。
▼参考:法務省ホームページ「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」
≪今回の法改正のポイント≫
(4)遺留分減殺請求権を金銭債権化できるようになった
遺留分とは「何があっても、法定相続人が最低限相続することのできる相続財産」のことです。
例えば、遺言書の中に「愛人に全財産を譲る」「所有している会社を○○に譲る」と書いてあり、本当の家族に一銭も残らないといったことを防ぐため、法律では法定相続人(兄弟姉妹は除きます)に最低限の財産を保証しています。
法定相続人がこの遺留分を請求する権利を「遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさんせいきゅう)」と呼びます。
改正前は、法定相続人がこの権利を行使すると、法定相続人とその他の人とで財産を共有する期間ができてしまい、事業承継の際の障壁となっていました。
今回の改正により、権利を金額に換算できるようになったため、遺言者の意思を尊重しつつ、法定相続人にも相続財産が入るという形になりました。
▼参考:法務省ホームページ「遺留分制度の見直し【PDF】」
(5)相続の有利・不利の差が埋まった
改正前は、遺言書の内容を知っているか知らないかで、相続の有利・不利が生じていましたが、今回の改正でそれが解消される形になりました。
▼参考:法務省ホームページ「相続の効力等に関する見直しについて【PDF】」
(6)介護・看護をしてきた人が報われるようになった
改正前は、相続人以外の親族が介護や看護等を行っていたとしても、相続財産を取得することができませんでした。
今回の改正により、一生懸命に介護や看護などを行ってきた相続人以外の親族でも相続財産を取得することができるようになりました。
▼参考:法務省ホームページ「相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(特別の寄与)【PDF】」
ここまで相続法の改正のポイントを解説してきましたが、全体を見渡してみると、被相続人を含めて相続に関する全ての人にとって優しい法律になったような印象を受けます。
相続の場面ではトラブルも発生しやすいですが、より円満な解決に繋がるよう、税理士の立場からサポートしていきますので相続に関するお悩み・ご相談がありましたら、顧問弁護士もいる
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