こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
2018年に入ってから、所有者不明で管理がされなくなった空き家を地方自治体が取り壊すケースが相次いで起きています。
これらの取り壊しについては、2015年に施行された「空き家対策特別措置法」にもとづく動きです。
≪空き家対策特別措置法とは≫
適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることを背景とし、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のため以下の措置を行う法律です。
・空き家の実態調査
・空き家の所有者へ適切な管理の指導
・空き家の跡地についての活用促進
・適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定
・特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令を実行
・特定空家に対して罰金や行政代執行を行う
ここでいう特定空家とは
・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
要するに所有者がいなかったり、所有者がわからなくなったりした空き家で特に倒壊等の危険性があり、周辺環境にも多大な悪影響を及ぼしているものに対しては、行政の判断で強制撤去できるということです。
≪住宅の相続には万全の準備を≫
きちんと管理されていない空き家は確かに老朽化していき建物倒壊の危険がありますし、放置が続いて地域の衛生状態や治安を悪化させる原因になったりすることもあるので強制撤去は仕方のないことかもしれません。
日本では今後、少子高齢化にともない住人が亡くなってしまい、そのまま空き家になるケースも多くなっていきますが、その家がもし後に相続した住宅になった場合、放置により建物老朽化→倒壊→賠償問題といった思わぬトラブルに発展することもあります。
また、相続放棄によって所有権を手放したとしても、相続財産管理人を決めて管理を引き継ぐまでは相続人が空き家を管理する義務があります。
これもトラブルに発展する恐れがあるので十分注意が必要です。
近隣の住民と何らかのトラブルになれば、時間的・精神的な負担は大きく、さらには賠償金の支払いなど経済的負担を強いられることになるかもしれません。
使わない住宅を相続する予定がある人は、相続後の管理をどのように行っていくのか、早めに考えておく必要があります。
住宅の相続やその他のお悩み・ご相談がありましたら、
八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
70余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。