こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
今回は非上場株式等に関しての相続税の納税猶予の特例について解説していきます。
≪非上場株式には納税猶予制度がある≫
被相続人が株式会社経営者であった場合、株式(非上場株式)は相続権が発生します。
一般には親族がその株式を相続しますが、非上場株式と言えども所定の価値があるため財産とみなされ、相続税の対象になります。
しかし、非上場株式は納税猶予の特例が設けられており、一定の条件を満たせば相続税の節税が可能です。
もし親などから相続した時は特例の利用を検討してみると良いでしょう。
≪非上場株式の納税猶予の条件と注意点≫
非上場株式の納税猶予は、被相続人・相続人それぞれが以下の条件を満たしている必要があります。
被相続人(先代の経営者) ・その会社の代表者であったこと ・相続前に被相続人と同族関係者で株式の過半数を保有し、かつ同族内で筆頭株主であったこと |
相続人(後継者) ・相続開始時点で被相続人の親族であること ・相続開始から5ヶ月後の時点で会社の代表者であること ・相続開始時点で後継者と同族関係者で株式の過半数を保有し、かつ同族内で筆頭株主であること ・相続税の申告期限まで相続で取得した株式を全て保有していること |
これらの条件を満たした場合にのみ、非上場株式の納税猶予が適用されます。
ただし、相続する株式会社が一定の規模以下でなければ猶予は受けられません。
納税猶予の対象となるのは中小企業のみで、業種により資本金や従業員数の上限が設けられています。
仮に資本金・従業員数のいずれかが条件から外れた場合、納税猶予の適用除外となるので注意しましょう。
例えば卸売業なら資本金1億円以下、従業員数100人以下と定められています。
また、相続税の納税猶予対象となる株式数は、発行済議決権総数の3分の2までです。
それ以上の株式については本来通りの相続税が課税されます。
そして注意したいのが相続税の猶予額です。
3分の2までの部分が猶予されるとは言っても、100%免除される訳ではありません。
課税価格の80%が猶予対象となり、残り2割の部分に関しては通常の相続税率が適用されます。
≪非上場株式を相続はややこしい≫
このように、非上場株式の相続や納税猶予の条件はややこしくなっています。
混乱する方もいらっしゃると思いますが、もし相続することになったら税理士へ相談をしてみてはいかがでしょうか。
税理士なら適切なアドバイスを受けられますし、相続の是非に関しても相談できるでしょう。
いずれにせよ、非上場株式の相続は会社を引き継ぐか否かという重要な問題です。
1人で悩まず、親族(株主)間でしっかり話し合って決めましょう。
非上場株式等に関しての相続税についてわからないことがありましたら、
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