こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
遺言書は、死後の財産における分割内容や方法などを被相続人が決められる書類で、相続において重要なものです。
絶対的とはいかないまでも、指定した相続人に財産を渡さないことや、家族以外の人物を相続人にすることもでき、多くの効力を持っています。
本記事では、遺言書がもつ主な効力を説明いたします。遺言書作成の参考として役立てて頂ければ幸いです。
目次
【遺言書の主な効力】
(1)相続財産の配分指定
遺言書では、取得財産の配分を法定分に関係なく、自由に決められます。
相続人が妻と子供2人の場合、妻に多めに財産を渡す内容でも構いません。
ただし、遺言書の効力でも「遺留分」は侵害できません。
遺留分とは、相続人が最低限の財産を取得する権利です。仮に、財産分割が侵害のある内容だった場合は、遺留分侵害額請求によって不足額を請求出来ます。
(2)遺産分割方法と分割禁止の指定
遺産分割の方法を決定したり、第三者に任せる(遺言執行者の指定)こともできます。
また、相続開始から五年を超えない期間で、遺産分割を禁止することもできます。
相続開始直後は心情的に揉めるケースが多いので、冷却期間を設ける意味で分割禁止を活用する方もいます。
(3)遺贈の決定
通常なら、相続財産は被相続人の配偶者や子供といった法定相続人が取得しますが、第三者(婚姻関係のない内縁の配偶者や友人等)や企業等に相続財産を渡す(遺贈)こともできます。
ただし、法定相続人以外への遺贈は分割トラブルの要因となりやすいので、被相続人の生前にご家族で十分に話し合いをされた方が良いでしょう。
(4)内縁の妻との間にできた子供の認知
婚姻関係のない女性との間にできた子供について、遺言で認知が可能です。
認知すればその子供は法定相続人となります。
(5)相続廃除等に関する事項
相続廃除とは、特定の推定相続人が虐待や侮辱等の非行を行なっていた場合に、相続の権利を剥奪する制度です。
家庭裁判所に「推定相続人廃除審判申立て」を行い、認められれば廃除決定となります。
相続廃除を確実に実現するには、遺言執行者も指定した方が良いでしょう。指定がないと、廃除の申立てが行われない場合があります。
(6)後見人の指定
相続人に未成年等がいる場合、第三者を後見人に指定し、当該者の財産管理や手続き等を任せられます。
(7)相続人相互の担保責任の指定
取得した相続財産が他人のものであったり、欠陥があった場合、他の相続人は担保責任を負います。
遺言者は、この担保責任の負担者や負担の割合において指定が可能です。
【作成方法を間違えると無効となってしまう場合も】
遺言書には何点かの種類がありますが、作成方法は各種で決まっています。
つまり、ルールに従った作成をしないと無効になります。
例えば自筆証書遺言では
- ・自筆で記入する(財産目録については自書でなくても可)
- ・日付の記入
- ・署名と押印を行う
公正証書遺言では
- ・証人となる者が適正者であること(未成年者、推定相続人および受遺者等は不可)
- ・証人資格のない者が作成の場に同席し、内容を操作しないこと
などの決まりがあります。
これらの規定に違反した遺言書は効力を持ちません。
また、紛失した場合も同様の扱いとなります。
【相続専門の税理士へ作成を依頼することも可能】
遺言書が無効になるケースは少なくありません。よって、確実に遺言を遺すために、相続手続き専門の税理士に作成を依頼する方法もあります。
特に相続税の対策も考えているなら、遺言書作成やその他の手続きの代行もまとめて相談した方が、手間もかからずお勧めです。代行料がかかってしまいますが、ご自身の負担が軽くなる上に、安心感も得られます。
初回無料相談を行なっている事務所も多いので、一度相談されてはいかがでしょうか。
【遺言書の作成や相続手続きに関するご相談】
遺言書の作成の依頼、相続手続きについてのご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
70余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。