【路線価発表直前】八王子・多摩エリアの地価動向と相続税への影響とは?

本記事の概要
毎年7月に国税庁から発表される「路線価」。近年、八王子・多摩エリアでも地価の上昇傾向が見られ、それに伴う相続税の負担増加が懸念されています。本記事では、路線価の基本から地価上昇による相続税への影響、そして今から準備できる具体的な節税対策まで、税理士が分かりやすく解説します。
こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
夏が近づき、毎年7月になるとニュースなどで「路線価(ろせんか)」の発表が話題になります。ご自宅やアパートなどの不動産をお持ちの方の中には、「今年はうちの土地の評価額はどうなるのだろうか」と不安に感じる方も少なくありません。
結論から申し上げますと、地価が上昇しているエリアでは、相続税の負担も大きくなる傾向にあります。今回は、路線価発表を前に知っておきたい基礎知識と、八王子・多摩エリアにお住まいの方が今から検討すべき事前対策について解説していきます。
【そもそも7月に発表される「路線価」とは?】
路線価とは、相続税や贈与税を計算する際の基準となる「土地の価格」のことです。毎年1月1日時点の価格が評価され、7月に国税庁から発表されます。
通常、道路(路線)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格が千円単位で定められており、この路線価にご自身の土地の面積を掛け合わせることで、大まかな相続税評価額を算出することができます。
例えば、路線価が「200(=20万円)」で、面積が150平方メートルの土地であれば、基本の評価額は「20万円×150平方メートル=3,000万円」となります。ただし、実際の計算では土地の形状(細長い、いびつな形など)によって評価額を下げる「補正」が行われます。
【八王子・多摩エリアの地価傾向と相続税への影響】
近年、八王子・多摩エリアでは、駅周辺の再開発や交通アクセスの向上、リモートワークの普及に伴う郊外住宅への需要増加などを背景に、地価が上昇傾向にある地域が見られます。
路線価は実際の市場の取引価格(時価)の約80%を目安に設定されるため、地価が上がれば連動して路線価も上がります。
■関連記事:路線価は今後どうなるのか 相続税評価への影響は
つまり、数年前に「うちの財産なら基礎控除内に収まるから相続税はかからない」と計算していたご家庭でも、路線価の上昇によって知らないうちに土地の評価額が跳ね上がり、相続税の課税対象になってしまうケースは珍しくありません。「うちは大丈夫」という油断は禁物ですので注意が必要です。
【地価上昇で相続税がかかるかも?今からできる事前対策】
土地の評価額が上がってしまった場合でも、正しく制度を活用すれば相続税を大幅に抑えることが可能です。
その代表例が「小規模宅地等の特例」です。これは、亡くなった方(被相続人)が住んでいたご自宅の土地を、配偶者や同居していた親族などが相続する場合、330平方メートルまでの部分について評価額を最大80%減額できるという非常に強力な特例です。
例えば、路線価の上昇で評価額が5,000万円になってしまった土地でも、この特例が適用できれば1,000万円として評価されます。ただし、特例を利用するためには、相続税の申告期限までに遺産分割を終えていることや、一定要件を満たす相続人が引き継ぐことなど、厳しい条件が定められています。
■関連記事:小規模宅地等の特例とは?対象者ごとに変わる要件についても解説!
【路線価が上がる前に検討すべき「生前贈与」の活用】
さらに、今後の地価上昇を見越して、路線価が上がる前に「生前贈与」を活用することも有効な対策です。
■関連記事:生前贈与で贈与税を0円に抑えるにはどうすれば良いか?【 贈与税・相続税対策 】
例えば、「相続時精算課税制度」を活用して将来値上がりが予想される土地を子供へ贈与しておけば、贈与時の(まだ路線価が低い)評価額で税金が計算されるため、将来の相続税負担を軽減できる可能性があります。
判断に迷う場合は、無理にご自身だけで進めようとせず、速やかに相続の専門家に相談することを強くお勧めします。
【よくあるご質問(Q&A)】
Q1. 路線価はどこで調べることができますか?
A1. 国税庁のホームページにある「路線価図・評価倍率表」から、どなたでも無料で確認することができます。地図上でご自宅が面している道路を探してみてください。
Q2. 路線価図に数字が載っていない地域はどう評価するのですか?
A2. 郊外や農村部など、路線価が設定されていない地域(倍率地域)では、毎年送られてくる「固定資産税評価額」に、国が定めた一定の「倍率」を掛けて評価額を計算します。
Q3. 自宅の形がいびつで使いにくいのですが、評価額は安くなりますか?
A3. はい、安くなる可能性があります。間口が極端に狭い土地や、L字型などの不整形地は、路線価から一定の割合を減額する補正が認められています。正確な計算は税理士にお任せください。
Q4. 今年の路線価が発表される前に生前贈与をしたほうが得ですか?
A4. 贈与する年の路線価は1月1日時点で決定しているため、7月の発表前であっても今年の1月1日以降の贈与であれば、今年発表される新しい路線価が適用されます。対策は長期的な視点で行うことが重要です。
【八王子・多摩エリアの不動産評価や相続税対策は八王子相続サポートセンターへ】
不動産の相続税評価は非常に複雑であり、適用する補正や特例によって税額が数百万単位で変わることもよくある話です。路線価の上昇に不安を感じる方は、現状の正確な財産評価を行い、将来の納税額をシミュレーションしておくことが円満な相続への第一歩です。
相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

八王子相続サポートセンター所長。早稲田大学商学部卒業。あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。
相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数
「法律顧問」も加えて「相続問題」をワンストップで解消するべく、「八王子相続サポートセンター」を開設いたしました。
八王子・多摩地域における長年の実績をふまえ変化する税制をフォローし、事前・事後の対策如何にかかわらず
「円満な相続」「否認されない相続税申告」を目指し、邁進してまいります。