【特例終了】孫への教育資金援助はどうする?今からできる3つの代替案

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 孫への教育資金として最大1,500万円までが非課税となる「教育資金の一括贈与特例」は、2026年3月末をもって新規受付を終了しました。しかし、お孫さんへの援助をあきらめる必要はありません。本記事では、特例終了後の今からでも活用できる「その都度贈与」「暦年贈与」「相続時精算課税制度」という3つの有効な代替案を、税理士が分かりやすく解説します。


こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

6月や7月になり夏のボーナス時期を迎えると、「子供世帯の負担を減らすために、孫の教育費を援助してあげたい」と考えるおじいちゃん、おばあちゃんも多いかもしれませんね。

かつては、お孫さんへの教育資金援助として最大1,500万円まで贈与税が非課税になる「教育資金の一括贈与特例」が広く利用されていましたが、この特例は令和8年(2026年)3月31日をもって適用期限を迎え、新規の利用は終了してしまいました。(参照

「特例が終わってしまったから、多額の贈与税を払わないと援助できないのでは……」

と不安に感じる方も少なくありません。しかし、ご安心ください。特例がなくても、日本の税制にはお孫さんを非課税で支援できる方法がしっかりと用意されています。今回は、これから教育資金の支援を行いたい場合の「3つの代替案」について解説します。

【代替案①】最も手軽で効果的!必要な都度支払う「その都度贈与」

実は、日本の税法では「扶養義務者(祖父母や父母)から、生活費や教育費に充てるために『その都度』支払われるお金」については、金額に関わらずそもそも贈与税はかからないと規定されています。

つまり、お孫さんの入学金や授業料の振込用紙が届いたタイミングで、おじいちゃん・おばあちゃんが直接学校に振り込んであげる形をとれば、何千万円の学費であっても全額非課税で支援することができます。特別な手続きや銀行口座の開設も必要ないため、最も手軽で確実な方法と言えます。

ただし、注意点(落とし穴)もあります。「その都度贈与」で非課税にするためには、あくまで「必要な時に都度支払う」必要があります。お孫さんの口座に「将来の大学費用として」と数年分の学費をまとめて振り込んでしまうと、「通常の贈与」と見なされ贈与税の課税対象になってしまいます。必ず、学校や塾の請求のタイミングに合わせて支払うようにしてください。

【代替案②】毎年110万円まで非課税の「暦年贈与」の活用

2つ目は、年間110万円の非課税枠を利用して、お孫さん名義の口座へ毎年少しずつ贈与を行う「暦年贈与(れきねんぞうよ)」です。

前述の「その都度贈与」は、教育費として直接・即座に消費しなければなりませんが、暦年贈与であれば、将来の留学費用や結婚資金などとして、お孫さん自身の口座にプールしておくことが可能です。幼い頃からコツコツと積み立てていけば、大学入学時にはまとまった金額を無税で準備することができます。

ただし、税務署から「名義預金(実質的にはおじいちゃんの財産のまま)」と疑われないよう注意が必要です。贈与の都度「贈与契約書」を作成し、お孫さん自身(未成年の場合は親権者)が管理する口座へ振り込むことが、後々のトラブルを防ぐ実務上の鉄則です。

■関連記事:生前贈与で贈与税を0円に抑えるにはどうすれば良いか?【 贈与税・相続税対策 】 

【代替案③】将来の財産移転を見据えた「相続時精算課税制度」

3つ目は、「相続時精算課税制度」を活用する方法です。この制度には「年110万円の基礎控除」が設けられており、毎年110万円までは申告不要で贈与することができます。 さらに、それを超える贈与についても、累計2,500万円までは贈与税がかからずに一気にまとまった金額を贈与することができます(※ただし、基礎控除を超えて贈与した分は、将来の相続時に持ち戻されて相続税の計算対象となります)。

将来の相続財産を確実に孫の世代へ移転しておきたい場合や、今後値上がりが予想される自社株不動産などがある場合には、非常に有効な選択肢となります。

■関連記事:相続時精算課税制度における注意点

【よくあるご質問(Q&A)】

Q1. 過去に「教育資金の一括贈与特例」で口座を作りましたが、今あるお金はどうなりますか?

A1. 特例の「新規受付」が終了しただけであり、すでに開設済みの口座にある資金については、お孫さんが30歳になる等の終了事由を満たすまで、引き続き非課税で教育資金として引き出すことが可能です。

Q2. 「その都度贈与」で、一人暮らしをする孫の家賃や生活費を仕送りしても非課税ですか?

A2. はい、非課税です。教育費だけでなく、日常生活に必要な費用(家賃、食費など)を「必要な都度」仕送りすることも、贈与税の対象外となります。

Q3. 孫へ暦年贈与をする場合、何歳から始められますか?

A3. お孫さんが0歳の赤ちゃんであっても贈与は可能です。ただし、本人がお金の管理をできない年齢の場合は、親権者が法定代理人として同意し、口座を管理する必要があります。

Q4. 3つの代替案のうち、どれを選ぶのが一番良いですか?

A4. ご家庭の総資産額、お孫さんの年齢、一気に資金を渡したいか少しずつ渡したいかによって最適な方法は異なります。迷われた場合は、贈与を実行する前に税理士へご相談いただくことをお勧めします。

【孫への贈与・相続税対策は八王子相続サポートセンターへ】

 お孫さんへの教育資金援助は、円満な家族関係を築き、若者の未来を応援する素晴らしいサポートです。「一括贈与の特例」が終了した今、どのアプローチが最も節税効果が高く、ご家族の手間がかからないかは、ご家庭の資産状況によって大きく異なります。

自己判断で多額の資金を動かしてしまうと、後から思わぬ贈与税が課されるリスクがあります。お孫さんへの援助や生前贈与の進め方に迷われたら、ぜひ一度、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへご相談ください。相続を専門とする税理士が、ご家族にとって最も有利で安心できる対策をシミュレーションいたします。

相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。 60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。