相続財産の評価方法⑥「公社債の評価のポイント-後半」|八王子・多摩の相続なら

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
前回に引き続き、今回も公社債の評価方法について解説していきます。

公社債の評価のポイント-前半で、公社債は利子の支払い方によって利付公社債と割引発行の公社債(ゼロクーポン債)に分類できると解説しました。

今回は割引発行の公社債(ゼロクーポン債)について詳しく見ていきましょう。

相続について八王子・多摩で会計事務所を営む税理士がわかりやすい言葉で解説

【割引発行の公社債(ゼロクーポン債)の評価】

割引発行の公社債(ゼロクーポン債)とは、券面額(額面金額)を下回る価額で発行される債券のことです。

例えば、発行元が券面額100円の公社債を90円で発行し、満期の時に券面額の100円を持ち主に返還できれば、持ち主は10円分の利益を得ることができます。
この10円分の利益のことを償還差益といい、これが利子に相当する部分に当たります。

金融商品取引所に日本証券業協会において→

売買参考統計値が公表される銘柄として↓

上場されている 上場されていない
選定されている (1) (2)
選定されていない (3) ×

<金融商品取引所に上場されている割引公社債の評価>

・金融商品取引所に上場されている
・日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定されている

このような割引公社債については、下記の計算式で評価額を計算します。

課税時期の最終価格×(券面額÷100円)

「課税時期の最終価格」については、

・金融商品取引所が公表する「最終価格」
・日本証券業協会が公表する「平均値」

のいずれか低い価額のものを用いて計算します。

※「課税時期」とは、相続の場合→被相続人の死亡の日、贈与の場合→贈与により財産を取得した日のこと

※「最終価格」は、券面額100円当たりの金額です。

※課税時期に割引公社債の差益金額に係る「源泉所得税額相当額」がある場合には、その金額を控除する。また「源泉所得税相当額」には、特別徴収されるべき道府県民税相当額を含む

<日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定された割引公社債(割引金融債を除く)の評価>

・金融商品取引所に上場されていない
・日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定されている

このような利付公社債については、下記の計算式で評価額を計算します。

課税時期の平均値×(券面額÷100円)

※「平均値」は、券面額100円当たりの金額

<その他の割引発行されている公社債>

・金融商品取引所に上場されている
・日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定されていない

・➀➁に該当しないもの

{発行価額+(券面額-発行価額)×(発行日から課税時期までの日数÷発行日から償還期限までの日数)}×(券面額÷100円)

※「発行価額」は、券面額100円当たりの金額

参考:国税庁HP「No.4641 利付公社債・割引発行の公社債の評価

2回にわたり公社債の評価方法について解説してきましたが、こちらも専門用語が多く一般の方には難解な内容となっています。

相続や公社債の評価方法についてわからないことがありましたら、
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