遺産分割協議終了後に遺言書が見つかった場合

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

故人が遺した財産は遺産分割協議を経て相続人に分配されますが、協議終了後に遺言書が出てくる場合もあります。

記載内容が協議結果と異なる時は、どうすれば良いでしょうか。
 

【遺産分割協議と遺言書の関係】

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分配率や方法を決めるものですが、協議をするのは「遺言書がない場合」と「遺言書があっても相続人全員(遺言執行者含め)が同意した場合」です。

つまり、遺言書がある場合は遺産分割協議よりも優先されるわけです。

遺言者の最終意思を尊重する遺言制度の趣旨があるので、この取り決めはもっともです。
 

【協議結果が無効になるかはケースによる】

前述したように、遺言書は法定相続分よりも優先されるので、基本的には遺言書の記載内容に従います。そのため、協議で決めた内容と後から見つかった遺言書の記載内容が違う場合は、協議内容が無効になります

しかし、遺言書内容を相続人全員が確認した上で、遺産分割協議で決めた結果を優先させることに合意するなら、遺産分割をやり直す必要はありません

ただし、これは相続人の人数が変わらない場合のみ有効です。

遺言書には様々な効力があり、法定相続人以外の方に財産を渡す「遺贈」や戸籍上で自分の子供とする「認知」、特定の相続人の資格を剥奪する「相続廃除」も可能です。これらが遺言書に記載されている場合、相続人の数が変動するので、各ケースによって対応が変わります

例えば、遺言書内に『遺言者の友人にも財産を与える』という遺贈の記載がある場合、遺言者の友人も交えて「遺産分割協議に決めた通りで良いか」の合意を得なければなりません。合意がなければ、協議結果は無効になります。
 

【遺言書は検認するまで開かない】

後から見つかった遺言書は、「検認」を終えるまで開いてはいけません。検認とは、相続人に遺言書の存在と記載内容を知らせること、内容を明らかにして偽造や変造を防ぐ手続きです。

検認の手続き前に勝手に開封すると、5万円以下の過料に処せられます。また、発見した遺言書を破棄したり変造したりすれば、「相続欠格」として相続人資格を失うことになります。

遺産分割協議の前でも後でも、遺言書を見つけたら家庭裁判所で検認手続きをしましょう。

 
なお、原本を公正役場に保管する「公正証書遺言」の場合、検認手続きは不要です。検認手続きが必要なのは「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」です。(自筆証書遺言でも、法務局の保管制度を利用すれば不要。)
 

【遺言書の保管には注意を払う】

遺言書は書いておしまいではありません。自身の死後、遺言内容が実現されて意味のあるものになります。

そのため、相続開始後すぐに遺族に発見されることが理想です。

作成時に証人が必要な公正証書遺言や秘密証書遺言を利用したり、自筆証書遺言であれば法務局の保管制度を利用したり、遺言執行者に保管を任せるといった工夫をして、遺言書が遺族の手に渡りやすいようにしましょう。
 

【遺言書作成や相続手続きに関するご相談】

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