相続手続きの諸費用は誰が払う?親族間トラブルを回避する精算のコツ

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話し合い

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

ご親族が亡くなられた際の相続においては、役所での各種手続きをはじめ、遺産分割の話し合い、税金の計算・申告など、こなすべき課題が山積しています。そして、こうした一連の作業には必ず「費用」が伴います。

各種証明書の取得費用から、司法書士や税理士といった専門家への報酬まで、これらのコストは一体誰が負担するべきなのでしょうか。「とりあえず代表して立て替えたけれど、後から他の相続人が本当に精算してくれるのか」と不安に感じる方も少なくありません。

今回は、相続手続きで発生する費用の法的な負担義務と、実務において揉め事を起こさない手順について解説します。


【相続手続きで発生する主な費用】

(1)各種証明書の発行手数料および実費

相続を正しく進めるためには、亡くなった方の出生から死亡までがわかる一連の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、不動産の固定資産評価証明書など、多様な公的書類を揃える必要があります。

加えて、金融機関や役所へ足を運ぶための交通費、書類の郵送代なども積み重なっていきます。


(2)専門家(税理士・司法書士・弁護士)への依頼費用

煩雑な作業を専門家に任せるケースも多いでしょう。誰に何を依頼するかによって、必要な費用は変動します。

税理士:相続税申告に伴う財産評価、税額計算、申告書の作成など
弁護士:他の相続人との遺産分割に関する交渉や調停、相続放棄の法的手続など
司法書士:不動産や株式等の名義変更(相続登記)など


【諸費用の負担者は法的に決まっていない】

結論から申し上げますと、こうした相続手続きの諸費用を「誰が支払うか」について、法律上の明確な決まりはありません

そのため、相続人同士の話し合いによって柔軟に決めることが可能です。かかった金額を全員で均等に割り勘にしてもよいですし、「不動産の名義変更費用は、その不動産を取得する人が負担する」といった形でも問題ありません。あるいは、被相続人(亡くなった方)の遺産の中から捻出するという選択肢もあります。


【それぞれの分担ケース】

(1)相続人全員で分担するケース

メリット:手元からすぐに費用を出し合えるため、手続きが停滞しない。
注意点:誰がどの割合で、いつ支払うのかについて、前もって全員の合意を得ておく必要がある。

(2)遺産から支払うケース

メリット:各個人の財布から持ち出す必要がなく、相続人間での不公平感が出にくい。
注意点:故人の口座から預金を引き出すために、原則として相続人全員の同意や所定の金融機関手続きが求められる。


【葬儀費用の取り扱いについて】

相続発生後、最も早い段階で直面する大きな出費が「お葬式の費用」です。これについても法律上の明確な負担義務者は定められていません。

過去の判例などを踏まえると「喪主(葬儀を主宰した人物)」が負担するという見解が有力ですが、実際の相続現場では、喪主が一時的に立て替えておき、後から「遺産の中から精算する」ケースが多数を占めます。

遺産からの支払いには、税務面での大きな利点があります。相続税の計算上、葬儀にかかった費用は「債務控除」として遺産総額から差し引くことができるためです。課税対象となる遺産額が減少すれば、結果的に相続税を安く抑えることにつながります。

ただし、後々のトラブルを防ぐため、遺産から葬儀費用を出す場合は必ず他の相続人の了承を得ておきましょう。また、お葬式に関する費用の「すべて」が控除対象になるわけではない点にも注意が必要です。

控除対象になるもの:お通夜・告別式の費用、火葬・埋葬料、お布施、読経料など
控除対象にならないもの:香典返しの費用、墓地や墓石の購入費用など


【トラブルを回避するためのスムーズな精算手順】

(1)費用の出所(遺産か、自己資金か)を初期段階で決める

最終的な費用を「遺産から出す」のか「相続人の持ち出し」にするのかは、非常に重要なポイントです。手続きに本格着手する前に方針を固め、相続人全員で合意形成をしておきましょう。


(2)領収書・明細書を徹底的に保管する

代表者が立て替え払いをする場面が多いはずですが、「誰に対して」「何の名目で」「いくら支払ったのか」が客観的に証明できるよう、領収書やレシートは必ず保管してください。領収書が発行されない出費(交通費など)については、日付・金額・支払先・目的をメモに残して記録化します。


(3)遺産分割協議書に「清算条項」を盛り込む

遺産分割協議を行う際、立て替えた費用の最終的な精算方法についても併せて話し合い、その内容を協議書にしっかりと明記しておきましょう。


【相続についてのご相談は八王子相続サポートセンターへ】

相続手続きは事務作業が膨大であり、それに伴う出費も避けられません。「身内だからわかってくれるだろう」という油断は禁物です。事前に費用の負担方法を話し合い、合意した上で、お金の使途は徹底して透明化しておくことが大切です。使途不明金や領収書の不備が少しでも見つかると、親族間の大きなトラブルに発展しかねません。

相続に関するご不安やご相談がございましたら、八王子・多摩地域の古川会計事務所(八王子相続サポートセンター)まで、どうぞお気軽にご連絡ください。60年以上にわたる確かな実績を持つ税理士が、皆様のお悩みに親切・丁寧にお応えいたします。

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