相続手続きのスタートラインとなる「死亡届」の役割とは

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
相続手続きにおいて、始まりとなるのが「死亡届(しぼうとどけ)」です。
これは「死亡の事実を知らせる」だけの手続きではありません。後の相続手続きや、銀行口座の手続き、不動産名義変更などにも関わってくる重要なステップです。
【死亡届と死亡診断書は「セット」になっている】
死亡届はどこでもらえるのかご存知でしょうか。
死亡届はご遺族が役所へ用紙を取りに行く必要はほとんどありません。多くの場合、医師から渡される「死亡診断書」と一体になっています。
A3サイズの用紙の右側に医師が記入する「死亡診断書」(死因や死亡時刻などが書かれています)、そして左側にご遺族が記入する「死亡届」(亡くなった方の氏名や本籍、届出人の情報などを書きます)があります。
医師からこの用紙を受け取ったら、ご遺族は左側の「死亡届」の欄に必要事項を記入することになります。
なお、自宅での老衰や、事故などで亡くなった場合は警察が介入します。検視が終わり、死因が特定されると、監察医から「死体検案書」が発行されます。
名前は違いますが、これも「死亡診断書」と同じ役割を持つ書類ですので、手続き上の扱いは同じです。
【誰が提出する?期限はいつまで?】
死亡届には提出期限があります。「死亡の事実を知った日から7日以内」です。(国外で亡くなった場合は3ヶ月以内)
7日しかなく、通夜・葬儀の準備と並行されるため、非常に慌ただしくなります。
(1)誰が届け出るのか(届出人)
法律上、届け出ができる人は決まっています。主に親族、同居者(内縁、同棲相手、ホームシェア)、家主(他に家屋管理人、賃貸物件貸主、大家さん、不動産管理会社)などです。基本的には、配偶者やお子様などの親族が「届出人」として署名・捺印を行います。
(2)どこに提出するのか
以下のいずれかの市区町村役場に提出します。
- 亡くなった方の本籍地
- 亡くなった場所(病院や自宅があった地域)
- 届出人(ご遺族)の住所地
(3)実際に窓口に行く方
「届出人」として署名する人と、「実際に役所の窓口に用紙を持っていく人」は別でも構いません。
実際には、葬儀社の方が代行して役所に提出してくれるケースが非常に多いです。ご自身で提出に行く時間が取れない場合は、葬儀社の担当者に相談してみると良いでしょう。
【提出前に必ず「コピー」をとること】
役所に提出する前に、死亡届(死亡診断書)のコピーを複数枚とっておきましょう。
一度役所に提出してしまうと、原則として原本は返却されません。しかし、その後の手続きで「死亡診断書の写し」が必要になる場面が多々あります。
- 生命保険金の請求
- 携帯電話の解約
- 未支給年金の請求
コピーを取り忘れると、病院に再発行を依頼しなければならず、数千円〜数万円の手数料がかかってしまうこともあります。(役所で「記載事項証明書」を発行してもらう方法もありますが、用途が限られており、取得理由の審査も厳しいため、手元にコピーを残しておくのが一番確実です)
【死亡届が出された後の相続】
死亡届が無事に受理されると、役所の方で「火葬許可証」が発行されます。これがないと火葬を行うことができませんので、葬儀において必須となります。
そして、ここから公的な記録が動き出します。
まずは戸籍への記載です。死亡届の情報をもとに、亡くなった方の戸籍に「死亡」の事実が記載され、最終的にその戸籍から除かれます(除籍)。相続手続きでは、相続人を確定するために「出生から死亡までの連続した戸籍」が必要になりますが、その終着点となるのがこの記録です。
次に住民票も抹消され、「住民票の除票」となります。世帯主が亡くなった場合は、残されたご家族の新しい世帯主を決める手続きも必要になります。
そして死亡届の情報が市区町村から税務署に通知されます。固定資産税の課税情報の変更などにも繋がっていきます。
【相続の手続きは一つずつ確実に 不安な場合は八王子相続サポートセンターへ】
死亡届の提出は、長い相続手続きの「最初の第一歩」です。無事に提出を終え、葬儀が落ち着いた頃から、いよいよ本格的な相続の手続き(遺言書の確認、遺産分割協議、相続税の申告など)が始まります。
相続税手続きには期限付のものもあるので、注意しましょう。「まだ時間がある」と思っていても、戸籍を集めたり、財産を調査したりしていると、時間は驚くほど早く過ぎてしまいます。
もし、「手続きが複雑で何から手をつけていいかわからない」 「将来の相続税が心配だ」と感じたら、早めに専門家にご相談ください。
初期段階からのサポートであれば、スムーズでご負担の少ない相続を実現できます。
相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

八王子相続サポートセンター所長。早稲田大学商学部卒業。あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。
相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数
「法律顧問」も加えて「相続問題」をワンストップで解消するべく、「八王子相続サポートセンター」を開設いたしました。
八王子・多摩地域における長年の実績をふまえ変化する税制をフォローし、事前・事後の対策如何にかかわらず
「円満な相続」「否認されない相続税申告」を目指し、邁進してまいります。