こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
蒸し暑い日が続きますね。
気温は人間の活動を支えてくれるものですが、高ければパフォーマンスは下がってしまうと同時にイライラを増加させてしまいます。
気温が高いことに気をとられて落ち着いてじっくり考えることも難しくなってしまうため無理もありません。特に重要なことを考える際には部屋の温度を適切なものに保ち、頭と身体をスッキリさせて臨みたいものです。
さて、「遺言執行者」という言葉をご存知でしょうか?
遺言執行者(または遺言執行人)とは、被相続人が亡くなった際に、遺言書に書かれた内容を実現するために手続きを実行する人のことを指します。
遺言執行者は相続手続きの中において無用なトラブルを防ぎ、スムーズに手続きを進めるために重要な役割を担う存在です。
目次
【遺言執行者の権限】
被相続人の遺言に従って、相続財産目録の作成を行ったり、金融機関の預金解約手続きや不動産名義変更手続きなどを行う権限を持ちます。
【誰でもなれる?】
遺言執行者は誰にでもなれる訳ではなく、未成年の方と破産している方はなる資格がありません。
逆に上記以外であれば誰でも遺言執行者になることが可能です。
しかし、執行者になると相続人への進捗報告や、相続財産目録作成等、就任した後に様々な法律上の義務を負います。
よって、安易に相続人のうちの誰か、もしくは一般の第三者に任せてしまうことは後々に揉める原因にもなります。
相続手続きを円滑に行うには、素早く適切な対応こそが重要なので、法律に詳しい専門家に相談または執行事務自体を任せてしまうのも選択肢の一つであると言えます。
【自分が選ばれたら】
遺言執行者の指定に対してそれを受けた場合は、就任通知を相続人全員に行います。
その後に遺言執行者としての業務をこなしていきます。
また、就任は義務ではないので、「自分には荷が重い」「仕事が忙しい」と感じたら、就任を拒否することも可能です。(その際には理由なども不要です。)
しかし、就任を拒否した場合には、他の相続人に対して、その旨を知らせる連絡書を送る義務があります。
就任するかどうかの通知が遅れてしまうと、他の相続人から催告をされてしまいます。
【選任方法】
遺言執行者の選任方法は以下の通りです。
(1)遺言書で遺言執行者を指定する
遺言書内で執行者を指定するには「遺言の執行者に次の者を指定」といった内容の文章を書き、遺言執行者に指定する方の住所と名前を載せておきます。
予備の執行者の指定も可能ですが、その場合は遺言執行者に指定された方が死亡しているもしくは執行者への就任を拒否した場合のみ執行者となることができます。
また、遺言書では遺言執行者ではなく遺言執行者の選任者を指定することも可能です。
これは前述した通り、執行者に指定した方が亡くなってしまったり、相続手続き時に就任拒否をされるリスクを回避するための方法です。
(2)家庭裁判所に申し立てを行う
遺言書で遺言執行者が指定されていなかった場合や、指定した方が就任を拒否したあるいは死亡してしまって当初予定していた遺言執行者がいない場合に、家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることができます。
申し立てを行えるのは相続人、受遺者、遺言者の債権者等になります。
尚、裁判所を通さずに相続人間で遺言執行者を選任することは不可能です。
【遺言執行者の意味】
遺言執行者は遺言書の内容を正しく実行し、遺言書が作成された意味を成す役割の人と言えます。
相続上の手続きを円滑に行う役割として非常に大きい存在です。
相続人の方でも遺言執行者になることができますが、不安や生活上の都合で執行者になることが難しい場合や揉めそうだなと判断した場合には専門家に依頼することをおすすめいたします。
専門家であれば、一連の執行者として必要な作業は全て把握していることに加え、経験も豊富なため、迅速かつ円滑に実行いたします。
【相続に関するお悩み・ご相談】
遺言書の作成や遺言執行者選任等、相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。