こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
今回は相続税の延納制度について解説していきます。
≪1.相続税は延納が認められている≫
相続税は、原則として現金での一括納付が求められています。
税額が少なければ、現金で一括納付しても負担も少ないですが、相続した財産の評価額次第では数百万円の相続税が発生します。
家計の事情などによっても、現金での一括納付が難しい場合は珍しくありません。
最終手段としては相続の放棄も考えられますが、まずは延納を検討してみると良いでしょう。
相続税の延納は、税金を分割して納付できる制度のことを言います。
一般的なローンに似た仕組みで、毎年少しずつ納めることが認められています。
ただし、延納は申請が必要で、所定の条件を満たした場合のみ適用されます。
≪2.延納を申請する方法と条件・注意点≫
相続税の延納を申請するには、まず申請書と担保の関連書類を作成する必要があります。
規定の様式に沿って作成し、税務署の窓口へ提出しましょう。
申請自体は比較的簡単ですが、審査機関として最長6ヶ月程度かかる点に注意を要します。
また、延納が認められるには以下の4つの条件を全て満たしている必要があります。
・期限までに延納の申請書類を提出していること
・納税額が10万円を超えること
・現金一括納付が困難な理由があること
・延納に見合った担保を提供すること(納税額100万円以下で3年以内に支払う場合は不要)
これらの条件を満たせば、延納が認められる可能性があります。
上記を見て気になった方もいらっしゃると思いますが、延納の際は担保の提供が必要です。
相続税額が100万円以下で、3年以内に完納するなら不要ですが、それ以外では延納額に相当する担保を設定しなくてはいけません。
担保として認められているものは、土地、国債・地方債など数種類があります。
見合った担保がないと、延納申請が却下される場合もあるため気を付けましょう。
仮に延納が認められても、延納期間中は延納利子税が発生します。
延納利子税は、延納した相続税額に応じて発生するため、毎年相続税を支払えば負担は減っていきます。
この点は通常のローンと変わらず、元本を返済すれば利子が減るのと同じです。
≪3.延納は税理士に相談してみましょう≫
延納は条件が設けられており、場合によっては担保が必要など、少々ハードルが高い制度です。
認可されるかは申請しないと判断できませんが、税理士へ相談をしてみるのも良いでしょう。
申請に関してのサポートや、担保に関してのアドバイスなどをもらえます。
関連書類が分からない時も、税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
延納制度についてわからないことがありましたら、
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70余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。