相続税 の納付のやり方について

相続税 の納付にもいろんな方法があります。

相続税の納付

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

本コラムでは相続税の納付について解説いたします。相続税の納付は、人生でそう何度もあることではありません。そのため、多くの方が未経験です。

実際に手続きをする際に悩まないよう、是非とも本コラムを参考にしてください。
 

【相続税納付の基本事項】

(1)相続税の納付期限は申告と同じ

相続税の納付期限は申告書の提出と同じく、「相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」となります。

相続の開始を知った日は各相続人の事情によって異なりますが、できる限り相続開始の日付(被相続人の死亡日)を起点にした期限内に手続きを終えるようにしましょう。

(2)基本は現金による一括納付

相続税は金融機関や税務署に相続人が納付書を持参し、現金一括での納付が原則です。なお、税額が少ない場合はコンビニでの納付も可能です。

また、近年ではインターネットを利用したクレジットカードでの納税も可能になりました。

(3)納付は相続人ごとに

相続税の納付は相続財産を取得した相続人・受遺者がすることになります。

よって、被相続人の配偶者や子供など、相続人が数名いる場合には相続人ごとに納付書を作成し、手続きを行う必要があります

(4)納付書の作成が必須

相続税を納付する際に必要なのが、納付書です。

他の税金の場合、納付書は国や都道府県、市から送られてくるケースもありますが、相続税では相続人が自分で税金計算をして納付書を作成しなければなりません。

納付書は管轄の税務署(被相続人の住所地を管轄する税務署)へ行けばもらえますが、それ以外でも窓口に税目(相続税)と管轄の税務署、納付手段を伝えれば、専用の納付書がもらえます。

※インターネットを利用したクレジットカードでの支払いの場合、納付書の作成は不要です。
 

【四つの納付方法】

(1)銀行

地方銀行や信用金庫、郵便局などおおよその金融機関で相続税の納付が可能です。

ただし、まれに支払いに対応していない場合もあるので、事前に確認した方が良いでしょう。

(2)税務署

税務署の窓口でも相続税の支払いが可能です。
しかし、税務署の場合、相続税申告書を提出する税務署でなければなりません。どこでも対応可能な金融機関と比べると、やや不便です。

また、大金を税務署に持ち込みたくない方も多いと思われるので、あまり利用されません。

(3)コンビニ

コンビニでも納付が可能です。ただし、納付できる金額が30万円以下となります。
また事前に納付書を税務署に持っていき、バーコード付の納付書を発行してもらわなければなりません。

(4)インターネット

平成29年よりインターネットを利用したクレジットカードでの納税が可能となっています。これにより、自宅で相続税の納付が行えるようになりました。

しかし、納税額が1,000万円未満などの制限があります。また、領収証書が発行されない、決済手数料が発生するといったデメリットもあります。

利用するには、「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスし手続きをおこないます。

 

【相続税の支払いをするタイミング】

相続税の申告と納付の順序は決められていません。期限内であれば、相続税を払うタイミングは申告の前後どちらでもかまいません。

相続税の納付は相続人ごとなので、自分の相続税の税額が計算できているのであれば、相続人の代表者や税理士が申告書を提出する前に、自身の相続税を払っても大丈夫です。
 

【納付が難しい場合】

相続財産の内容によっては、相続税が高額すぎて支払いが困難になる場合もあります。そのような場合は、延納もしくは物納という制度が利用できます。

(1)延納制度

相続税を分割によって納める制度です。適用するには以下の条件を満たします。

  • ・金銭での一括納付が困難な事由がある
  • ・相続税額が10万円を超える
  • ・延納税額に相当する担保を提供する

許可が下りれば、相続税を年払いで納付できるようになります。ただし、利子税がかかります。

経済的に余裕を持って相続税を支払える反面、利子税の分だけトータルで払う税金は高くなるのです。

(2)物納制度

物納制度とは、延納制度と同じように納付困難な金額の範囲内において、金銭以外の相続財産により相続税を納める制度です。

国が財産の換金処分を行うので、不動産や国債証券・上場株式等お金に変えやすい財産が優先的に充てられます。
 

【相続手続きについての問い合わせ・ご相談】

相続税の納付方法ついて解説いたしました。

納付方法は四つありますが、ご自身にとってご都合の良い方法を選択してください。納付期限は決まっていますので、くれぐれも期限を守って納付してください。

相続税や相続手続きについてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。

60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

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投稿者: 古川顕史(公認会計士・税理士)

八王子相続サポートセンター センター長。 公認会計士・税理士。 早稲田大学商学部卒業 あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。 八王子相続サポートセンター所長 相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数。