こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
「相続放棄」は相続の権利全てを手放すための手続きです。
被相続人が生前に抱えていた借金等、相続される債務が財産より多いケースに使われます。
相続放棄は3ヶ月の熟慮期間内(相続人本人が相続開始を知ってから3ヶ月)に、家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
そのため、財産状況や他の相続人の意思をしっかり確認せずに慌てて手続きを完了し、後悔することもあります。
【相続放棄の取り消しはできない】
手続きが完了した(申し立てが裁判所に受理された)時点で、取り消しはできません。
相続手続きは複雑で時間もかかります。その中で相続放棄の取り消しが乱発されると、債権者や他の相続人が混乱し、全体の手続きの進捗に多大な影響が出てしまうからです。
ただし、相続放棄の取り消しはある事例に該当する場合に認められることがあります。
【取り消しが認められる事例】
認められる事例は以下のような場合です。
・未成年者が法定代理人の同意を得なかった
・後見監督人がいる場合、被後見人や後見人の同意を得なかった
・成年被後見人自身が行なった
・被補佐人が補佐人の同意を得なかった
詐欺や脅迫行為があった場合、本人の意思と無関係のため取り消しが認められます。
成年被後見人は判断能力が欠如しているので、自身で行った手続きについては取り消すことが可能です。
【取り消しの手順】
裁判所に申述をした本人や法定代理人が「相続放棄取り消しの申述」をします。
裁判所が申し立てを受理すると、相続放棄の取り消しが成立します。
申し立てを行うのは被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所です。期限は相続放棄の追認が可能な時から6ヶ月以内かつ相続放棄から10年以内です。
追認可能な時とは、例えば詐欺行為があった場合に詐欺であることに気づいた時です。
【相続放棄で後悔しないために】
繰り返しますが、相続放棄は原則取り消しができません。
慌ててやってしまった後で嘆いても遅いのです。
相続放棄で後悔しないためには、事前の財産調査が重要です。
見落としや調べ忘れがないように、ご自身でやるのではなく専門家に依頼することをオススメいたします。
【相続手続きについての問い合わせ・ご相談】
相続手続きについてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
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