こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
2018年9月に亡くなられた名女優の樹木希林さんの家族構成は、夫が”ロックンローラー”内田裕也さん、娘がエッセイストの也哉子さん、その娘婿が俳優の本木雅弘さん、さらに也哉子さんと本木さんの間にはお孫さんに当たる二男一女がいます。
樹木さんは、自身が保有する財産を、夫、子供、孫それぞれの将来を見据えた巧みな方法で相続していたことがわかりました。
今回はこの点についてご説明いたします。
【樹木希林さんの財産相続のポイントー争族を招かない上手な相続―】
樹木さんのご主人の内田裕也さんは、しばしば金銭トラブルを起こしていたと言われています。
このような方が法定相続人にいると、とかく「争族」に発展しやすいものと思われるのですが、樹木さんの遺産相続においては、このような争族を招くことなく、夫、子、孫それぞれの将来を見据えた財産の受け継ぎ方がなされていました。
樹木さんには、戸建て住宅が5軒、マンションが3部屋と併せて8つの不動産を保有していました。
まず、戸建て住宅のうち、空き家であった3軒は、事業用の賃貸物件とした後に娘の也哉子さんに承継されました。
3部屋のマンションのうち1部屋は孫の伽羅さんに生前贈与され、別の1部屋が娘婿の本木雅弘さんに相続され、樹木さんが設立した法人の事務所として利用していた残りの1部屋は、引き続き法人が利用することとしましたが、この法人の代表権を娘の也哉子さんに変更し、さらに孫のUTAさんを取締役に就任させることで、経営権を子と孫に受け継いでいます。
これは、法人の将来の経営を見据えて、今の時点から、モデルとして芸能活動を行っている孫のUTAさんに経営に参加させたのではないかと言われています。
このように不動産は子と孫に受け継がれておりますが、夫の裕也さんには不動産は受け継がれていません。
これは、不動産を樹木さんより高齢の裕也さんが受け継いでしまうと、近い将来、裕也さんが亡くなった際に、二次相続として也哉子さん、本木さんの子の世代が改めて相続税の負担に苦しむことになってしまうことから、樹木さんから子や孫に直接受け継ぐことにして、夫の裕也さんには、樹木さんが芸能活動で蓄えた多額の現預金を遺したのではないかと言われています。
【深い愛情が込められた節税策・相続方法】
このように、樹木さんは、自分が遺した多額の財産を、夫、子、孫のそれぞれの幸せを願い、生前から最善の方法で受け継ぐことを考えて実行したもののようです。
つまり、樹木さんの一連の節税策や相続方法には、夫、子、孫に対する深い愛情が込められた「愛のある節税と相続」と呼べるのではないでしょうか。
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