「特例贈与」と「一般贈与」 二つの違いとは【贈与税計算】

「特例贈与」と「一般贈与」 二つの違いとは
こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。
相続税対策として生前贈与をする際、贈与額が一定額を超えると贈与税が生じます。この時、課税の方法は二つに分かれます。
ざっくり言うと、贈与税を計算するときに使う「ものさし」が2種類ある、というお話です。
【特例贈与と一般贈与の違い】
生前贈与とは、生前のうちに、財産を他者へ無償で与えることです。生存中に財産を移すことで、相続税を抑えることができます。
ただし、生前贈与ではもらった側に「贈与税」という税金がかかります。その贈与税の計算に使われる「税率」には2つの種類があります。
それが「特例贈与(とくれいぞうよ)」と「一般贈与(いっぱんぞうよ)」という区分です。
簡単に言えば、贈与者と受贈者の関係や年齢によって、税金の計算方法が変わる仕組みです。
この違いによって、納める税額が変わります。
【世代間の資産移転を支援する「特例贈与」】
「特例贈与」とは、「父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ」の贈与を指します。
この関係の贈与が「特例」として区別されている理由は、「上の世代(親や祖父母)が持つ資産を、なるべく早く下の世代(子や孫)に移転して、経済活動(例えば、家の購入、子育て、起業、消費など)に役立ててほしい」という国の考えがあります。
この世代間の資産移転を税金の面から後押しするために、「特例」という形で税率を優遇しているのです。
特例贈与の条件
- 贈与者:受贈者の直系尊属であること。(具体的には、父母や祖父母、曽祖母です。)
- 受贈者:贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の直系卑属であること(具体的には、受贈者の子供や孫です。養子も含まれます)
※受贈者の年齢は、以前は20歳以上でしたが、民法改正に伴い18歳以上に引き下げられました。
【それ以外はすべて「一般贈与」】
一方の「一般贈与」は、シンプルです。「特例贈与」に当てはまらない、それ以外のすべての贈与がこれに該当します。
- 夫婦間の贈与
- 兄弟や姉妹からの贈与
- 友人や知人など、他人からの贈与
- 叔父・叔母からの贈与
- 親から「18歳未満」の子供への贈与
- 祖父母から「18歳未満」の孫への贈与
たとえ親子・祖父母の関係であっても、もらう側が18歳未満の場合は「一般贈与」の扱いとなり、優遇された税率は使えません。
【実際、税額はどれくらい変わるのか】
この2つの違いは、贈与税の「暦年課税」で計算するときに関係します。
まず、贈与税には「年間110万円」の基礎控除があります。1年間(1月1日~12月31日)にもらった財産の合計が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。
税金がかかるのは、110万円を超えた部分です。この「超えた金額」に対して、「特例税率」または「一般税率」をかけて税額を計算します。
(1年間に渡された財産の額-110万円)×贈与税率-控除額
<例:年間で合計610万円の贈与を受けた場合>
610万円-110万円=500万円
基礎控除を差し引いた課税価格に税率をかけます。
A.「一般贈与」の場合計算:
(500万円×30%)-65万円=85万円
B.「特例贈与」の場合
(500万円×20%)-30万円=70万円
上記のケースでは、15万円も税額が変わってきます。金額がさらに大きくなると、この差はもっと開いていきます。
【特例贈与財産として申告するには】
特例贈与財産として贈与税の申告書を提出する際には「贈与者と受贈者の関係を証明する書類」も添えなければなりません。
受贈者と贈与者が親子の関係であるなら、受贈者の戸籍謄本もしくは抄本を添えれば大丈夫です。贈与者が祖父母の場合、受贈者の戸籍謄本のみでは情報が不足するため、受贈者の親の戸籍謄本も必要になります。
戸籍謄本は本籍地のある市区町村役場で取得しましょう。親の戸籍謄本の取得には委任状などは不要です。
【節税の相談は古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへ】
贈与税の「特例」と「一般」。この大きな違いを生むのは、「誰から誰へ」という関係性と、「もらう人の年齢」です。
特にご家族の間でまとまった金額の贈与を考えている場合は、その計画が「特例」の対象になるのか、それとも「一般」になってしまうのかで、手元に残る金額が大きく変わる可能性があります。
贈与はタイミングと計画が大切です。相続も含めてのトータルの節税を考えるのであれば、税理士に相談してください。
相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。
60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。

八王子相続サポートセンター所長。早稲田大学商学部卒業。あずさ監査法人退社後、古川会計事務所入所。
相続税対策(納税予測、資産組替シミュレーション等)立案多数
「法律顧問」も加えて「相続問題」をワンストップで解消するべく、「八王子相続サポートセンター」を開設いたしました。
八王子・多摩地域における長年の実績をふまえ変化する税制をフォローし、事前・事後の対策如何にかかわらず
「円満な相続」「否認されない相続税申告」を目指し、邁進してまいります。