相続で遺族の負担を減らすには

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相続

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

家族の死は悲しいものです。ですが、人が亡くなると相続が発生するので、様々な手続きをしていかなければなりません。
相続手続きは複雑かつ多岐に渡るため、遺族にとっては大きな負担がかかります。

本記事では、なぜ相続手続きが大変なのか、そしてその負担をできるだけ軽くするためにどうすれば良いのかを解説いたします。

【相続手続きが大変な理由】

相続手続きは、単なる財産の分配にとどまりません。煩雑な作業が多く、相続人同士の調整も必要になるため、実は手間がかかります。
実際に多くの方が「ここまで大変だとは思わなかった」と感じるのです。では、その主な理由を見ていきましょう。

(1)相続人同士の調整

遺言がない場合、相続財産を分けるために、「遺産分割協議」と呼ばれる相続人同士の話し合いが必要です。
この協議は原則として、法定相続人全員が参加し、同意を得なければなりません。同意がなければ、財産の分割や名義変更を進めることはできません。
この分割協議で自体厄介ですが、相続人同士が各地に散らばっている場合は大変です。協議の日程調整すらままならず、合意を得るまでには相当の時間がかかってしまいます。
オンラインでやりとりするにしても、重要な書類には署名・押印が必要であり、郵送の手間が発生します。

(2)意見がまとまらず相続争いに発展することも

たとえ親族同士であっても、相続となると各人の思いや利害が絡むため、話が平行線をたどることは珍しくありません。相続財産の価値や、過去の親との関係、介護に対する貢献度などが論点となり、協議が感情的なものへと発展してしまうケースも多くあります。
「公平」と「納得」は必ずしも一致しません。お互いに譲らなければ、家庭裁判所の調停や審判に発展する可能性も出てきます。

(3)金融機関や役所での手続きは平日しかできない

協議が順調に進んでも、銀行や役所での手続きが残っています。
これらは原則として平日の日中にしか対応しておらず、仕事をしている相続人にとっては非常に大きな負担です。
遺産の種類が多ければ多いほど、行かなければならない窓口の数も増え、手間も時間もかかってしまいます。
特に複数の銀行口座や不動産、株式、自動車などがある場合は、それぞれに応じた書類の準備・提出が必要になります。
また数が多いと、ミスも起こりやすくなります。

(4)相続税の申告と納付

相続税の申告および納付は、相続開始を知った日から10ヶ月以内にしなければなりません。
相続税の算出は、財産調査、相続税評価等、必要な作業がたくさんあります。相続税の評価は資産によって変わるので、専門的な知識がないと時間がかかります。
もし、相続税を期限までに申告・納付することができなかった場合は、加算税や延滞税がかかりまので、この点にも注意して準備をする必要があります。

【専門家に任せることで得られる安心】

このように、相続手続きには時間と労力、そして精神的ストレスがつきものです。では、どうすれば良いのかというと、一つは相続の専門家に手続きを依頼することです。
手続きを専門家に依頼すると報酬を払わなければなりませんが、メリットもたくさんあります。

(1)面倒な手続きを一任できる

相続には、被相続人の戸籍を出生から死亡まで遡って取得したり、複数の役所から必要な証明書を取り寄せたりと、専門知識がないと迷ってしまうような作業が多くあります。これらを自分たちで行えば、大抵は時間ばかりかかってしまい、誤った書類を提出して差し戻されることも珍しくありません。

一方、相続のプロに任せれば、必要書類の収集から財産調査、名義変更に至るまでの手続きを代理で行ってもらえます。金融機関とのやりとりや、複数の相続人への書類送付などもお任せできるため、遺族の負担を大きく減らすことが可能です。

(2)スケジュール管理もお任せできる

相続にはさまざまな期限が存在します。たとえば、先述したように相続税の申告と納税は「相続開始を知った日から10ヶ月以内」と定められています。
この期限を過ぎると、延滞税や加算税が課されるおそれがあります。
専門家に依頼すれば、これらのスケジュール管理も一括で任せられ、「気づいたら期限を過ぎていた」というリスクを避けることができます。
相続税申告のために、いつまでに財産調査が必要か、相続税評価をいつまでにすれば良いのか、分割協議をいつ終えれば良いのか、具体的にスケジューリングしてもらえます。

(3)中立的な立場で助言を受けられる

相続に関しては、相続人同士の感情が絡んでしまうことも多く、冷静な話し合いが難しくなることがあります。そんなとき、第三者である専門家が間に入ることで、客観的かつ法律に基づいたアドバイスを受けることができ、感情的な対立を避けやすくなります。

また、相続専門の税理士であれば、節税を意識した分割方法、控除制度の適用について指摘してもらえるため、お得です。

【相続についてのお悩みは八王子相続サポートセンターへ】

相続は、ある時突然訪れる現実です。ですが、悲しみにくれる中で、その煩雑な手続きについて期限内に進めていかなくてはなりません。家族が亡くなった直後という心の整理もつかない中で、短い期限の中で多くのことを進めなければならないのは精神的・肉体的に大きな負担となります。
こうした負担を少しでも軽くするには、「早めの準備」と「専門家への依頼」が重要です。

相続についてのお悩み・ご相談がありましたら、八王子・多摩の古川会計事務所・八王子相続サポートセンターへお気軽にお問い合わせください。 60余年の豊富な実績を持つ税理士が親切・丁寧に対応いたします。