お父さんが認知症に!どうすればよい?(後編)|八王子・多摩の相続なら

こんにちは、八王子・多摩で会計事務所をやっている税理士の古川顕史です。

認知症となる高齢者が増加する傾向が続いています。
一家の生活を支えていたお父さんが認知症となり、その後亡くなった場合、お父さんが所有している財産はどうなるのでしょうか?

この場合、お父さんが認知症にかかってしまった間、法定後見制度が利用されていたのか、任意後見制度などその他の方法が利用されていたのかによって、お父さんの死後の財産の維持・管理の方法が変わってきます。

“法定後見制度”とは、本人が、障害や認知症などによって正常な判断ができなくなった時に、本人の家族・親族や利害関係者の請求に基づいて、家庭裁判所が本人の保護者となる後見人を定めて、その後見人に本人の財産や権利の維持管理を委ねる方法です。
“任意後見制度”とは、本人が判断能力を失っていない状態の時に、本人の意思に基づいて後見人を定め、その後見人に本人の財産や権利の維持管理を委ねる方法で、本人が判断能力を失う前に、本人が委託者、その事務を引き受けてくれる受任者(任意後見人)として、この両者の間で契約を締結し、受任者に対して、自分の財産の維持管理を委託するとともに、そのための代理権を与えるものです。

 
相続について八王子・多摩で会計事務所を営む税理士がわかりやすい言葉で解説
 

【認知症となったお父さんが亡くなった後はどうなる?】

認知症になったお父さん(被後見人)が亡くなった場合の財産の取扱いはどうなってしまうのでしょうか?
法定後見制度が利用されていた場合は、被後見人が亡くなると、後見の必要がなくなるので後見が終了します。
後見終了にあたって、家庭裁判所への報告、登記手続き、後見事務の清算を経て、相続人に対して財産の引渡しが為されます。
その後は、通常の相続の手続きにしたがって、相続財産が相続人に分割されていくことになります。

また、任意後見制度が利用されていた場合は、委託する契約の内容によって変わってきます。
任意後見制度では、“任意後見契約”、“生前事務委任契約”、“死後事務委任契約”の三種類の契約形態があり、それぞれ単独で、あるいは、組み合わせて契約が交わされています。
①任意後見契約:
判断能力があるうちから、本人が選んだ相手に、判断能力が低下した後の財産の維持管理を託して、安心した生活が送れるように備えることを目的とした契約となります。
②生前事務委任契約:
本人(委任者)が、任意後見契約の効力発生前の財産管理などの事務もまとめて委託する契約です。
③死後事務委任契約:
本人(委任者)が亡くなった後の、本人の財産の管理事務について、本人が生前に受任者に委託しておく契約です。
つまり、任意後見制度において、死後事務委託契約を締結していれば、委任者である本人が亡くなった後の財産の維持管理も、受任者に引き続き任せることができるようになります。

このほかにも、財産を信託する方法で、委任者である本人が亡くなった後の財産の維持管理の方法を決めておくこともできます。財産の信託については、別の機会でご説明いたします。

 

【相続についてのお悩み・ご相談】

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